デジタル化・AI導入補助金とは?IT導入補助金から刷新された制度を徹底解説

デジタル化・AI導入補助金とは?IT導入補助金から刷新された制度を徹底解説

「IT導入補助金は2026年も継続しているのか」「生成AIツールも補助対象になるのか」と疑問をお持ちの中小企業経営者の方も多いのではないでしょうか。

令和7年度補正予算事業から、従来の「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更され、制度内容も見直されました。。

この記事では、制度の最新公募要領に基づき、以下のポイントを解説します。

● この記事からわかること

  1. 1旧制度(IT導入補助金)からの主な変更点
  2. 25つの申請枠の詳細と補助上限・補助率
  3. 3対象となるIT・AIツールの具体例と条件
  4. 4失敗しない申請フローと採択率アップの加点項目

IT導入補助金からデジタル化・AI導入補助金への名称変更

名称変更が持つ意味と、申請者への実務的な影響を解説します。

制度刷新の内容とAIツールの扱い

従来のIT導入補助金が対象としてきたのは、会計ソフトや受発注システムといった事務効率化ツールの導入が中心でした。2026年度のデジタル化・AI導入補助金では、生成AIや業務特化型AIツールも補助対象として明確化されていますが、AIツールだから自動的に対象になるわけではなく、事務局に登録されたITツールであることが前提です。

補助対象となるITツールは、事務局の公式サイトで登録状況を確認できます。AI機能の有無や検索画面の表示仕様は変更される可能性があるため、申請前に導入予定のツールが対象として登録されているかを確認しましょう。申請にあたっては、ツールの導入目的、業務課題との適合性、労働生産性の向上効果などを具体的に示すことが重要です。

申請マイページや各種案内メールなどの一部システム画面において、改修完了までの間は旧名称「IT導入補助金」の表記が継続して残っている箇所があるため、新制度である「デジタル化・AI導入補助金2026」に適切に読み替えて交付申請の手続きを進める必要があります。

2025年度からの主な変更点

デジタル化・AI導入補助金とは?

2026年度における主な変更点は次のとおりです。

  • 再申請・過去受給事業者の取り扱い整理
  • AI機能ツールの対象明確化
  • インボイス枠の継続設置

2022〜2025年度の交付決定を受けた事業者が再申請する場合、過去事業にかかる「事業実施効果報告」をすべて提出完了していることが必須要件となった上で、今回策定する3年間の賃上げ目標(給与支給総額の年平均成長率)が、新規申請者の場合は「年率3.0%以上」、過去受給歴のある事業者の場合は「年率3.5%以上」と、再申請の有無や申請額に応じて厳密に再設計されました。

また、事務局に登録された生成AIを含む幅広いAIツールが、補助対象であることも明確化されています。さらに、インボイス対応類型と電子取引類型は継続され、未対応事業者のデジタル化を支援する仕組みも維持されています。

デジタル化・AI導入補助金のしくみ|共同申請の仕組み

補助金独自の申請スキームを理解することが、スムーズな申請の前提となります。

IT導入支援事業者との共同事業体

この補助金の特徴は、事業者(申請者)が単独で申請するのではなく、IT導入支援事業者(IT導入支援事業者等)とパートナーシップを組んで共同で事業を実施する点です。

デジタル化・AI導入補助金とは

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IT導入支援事業者は、ITツールの選定、導入、活用支援に加え、交付申請や事業実績報告に必要な情報整理・入力を支援します。IT導入支援事業者のサポートを受けられるため申請準備を進めやすい仕組みですが、申請者自身も事業計画、財務情報、導入目的、賃上げ要件などを確認し、申請内容に責任を負う必要があります。

一方、事業者(申請者)側の役割は、経営課題を明確にし、導入ツールによる生産性向上計画の策定・実行を担うことです。IT導入支援事業者任せにするのではなく、審査では事業者自身の改善意欲と計画の具体性が評価されます。

注意点|みなし同一法人の判定

不正受給防止のため、同一性の判定基準は厳格に運用されています。原則として1事業者につき1申請限りであり、要件に該当する場合はみなし同一法人として重複申請と判定され、不採択または交付決定取消となるため注意が必要です。

議決権の50%超の保有関係(親子・兄弟会社等)がある場合や、代表者、主要株主(50%超)、実質的支配者が同じである場合は、みなし同一法人に該当し、重複申請としてすべて不採択または取消の対象となります。複数法人で申請を検討する場合は、公募要領の重複申請に関する定義を事前に確認しましょう。

中小企業・小規模事業者の要件

補助対象となる事業者の範囲は、業種ごとに資本金・従業員数の基準が細かく定められています。自社が対象に該当するかどうかを申請前に確認しておきましょう。

業種別の規模基準

補助対象となるのは、日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者等です。業種ごとの基準は以下のとおりです。

業種分類 資本金 または 従業員数

(いずれか一方を満たせば可)

基準値(資本金/常時使用従業員数)
製造業・建設業・運輸業・その他 資本金または従業員数 3億円以下/300人以下
卸売業 資本金または従業員数 1億円以下/100人以下
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) 資本金または従業員数 5,000万円以下/100人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業 資本金または従業員数 3億円以下/300人以下
小売業 資本金または従業員数 5,000万円以下/50人以下
旅館業(緩和基準適用) 資本金または従業員数 5,000万円以下/200人以下
ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤおよびベルト製造業を除く) 資本金または従業員数 3億円以下/900人以下

飲食業・宿泊業・医療・介護・保育等のサービス業も対象に含まれます。法人だけでなく、個人事業主・フリーランスも中小企業者に準ずる者として申請可能です。

個人事業主でも申請できる

個人事業主・フリーランスも申請できます。確定申告書第一表、所得税青色申告決算書または収支内訳書、所得税納税証明書、本人確認書類など、所定の書類を提出します。必要書類は申請枠や申請時点の公募要領により異なるため、最新の手引きを確認しましょう。

クレジットカードで支払う場合は、個人事業主は申請者本人名義、法人は法人名義のカードを使用し、かつ決済方法は「1回(一括)払い」に限定されるなど、補助事業者との支払い関係や支払条件を証明できる名義・方法で決済する必要があります。副業の事業規模であっても申請可能ですが、経費の区分が明確に分かれていることが前提となります。

5つの申請枠を徹底比較

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5つの申請枠の違いを把握し、自社の状況に適した枠を選択することが重要です。

通常枠|最も汎用性の高い枠

通常枠は、会計・受発注・在庫・給与など幅広い業務プロセスをカバーするAIを含むITツールの導入に対して補助する枠です。

補助額は5万円から450万円で、補助率は原則1/2以内です。通常枠では、最低賃金近傍の事業者に該当する場合、補助率が2/3以内となる特例があります。令和6年10月から令和7年9月の間で3か月以上、改定前の地域別最低賃金以上かつ令和7年度改定後の地域別最低賃金未満で雇用していた従業員数が、全従業員の30%以上を占めていることなどが具体的な要件として示されています。

補助上限額は、対象とする業務プロセスの数で変わる仕組みです。1プロセス以上を満たす場合は補助額5万円〜150万円未満、4プロセス以上(必須プロセスを含む)を満たす場合は150万円〜450万円以下が補助額の区分となります。ERPを含め、導入予定のツールが対象となる業務プロセス数を満たすかどうかは、IT導入支援事業者に事前に確認しましょう。

インボイス枠(インボイス対応類型)|高補助率が特徴

インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応を支援するための枠で、補助率の高さが特徴です。ITツールは、50万円以下の部分について補助率3/4以内、小規模事業者は4/5以内です。50万円超から350万円以下の部分は、補助率2/3以内となります。

対象ITツールとあわせて申請する場合に限り、PC・タブレット等は補助上限10万円、レジ・券売機等は補助上限20万円で、ハードウェア購入費(補助率1/2)も補助対象となります。ハードウェア単体での申請はできません。まだインボイス対応を完了していない事業者は、引き続き活用を検討したい枠です。

インボイス枠(電子取引類型)|取引先との受発注データ連携に

インボイス枠(電子取引類型)は、発注側の事業者がインボイス制度に対応した受発注機能を持つITツールを導入し、受注側の取引先にアカウントを発行するなどしてITツールを供与する場合を支援する枠です。補助上限額は350万円で、中小企業・小規模事業者の補助率は2/3以内、その他の事業者は1/2以内です。取引先へのアカウント発行が前提条件であるため、事前の調整が欠かせません。

セキュリティ対策推進枠|サイバー攻撃から事業を守る

セキュリティ対策推進枠は、中小企業が抱えるサイバーセキュリティリスクを低減し、万が一のインシデントによる操業停止等の損失を防ぐための支援枠です。補助額は5万円から150万円で、補助率は原則として中小企業が1/2以内、小規模事業者は2/3以内となっています。

補助対象となるサービスは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に正式に登録されたもの(サービス利用料最大2年分など)に厳格に限定されている点が実務上の大きなポイントです。

複数者連携デジタル化・AI導入枠|複数事業者の連携向け

商店街やサプライチェーンを形成する複数の中小企業・小規模事業者(原則10者以上)が連携し、一体となってデジタル化・AI導入に取り組む場合に適用される高額な支援枠です。

補助上限額は基盤導入経費と消費動向分析経費を合算して最大3,000万円(代表事業者の事務費・専門家費は別途200万円上限)で、補助率は2/3から最大4/5(基盤経費はインボイス対応類型の条件に準ずる)が適用されます。AIカメラや電子地域通貨システム、キャッシュレス決済など、面的なデジタル化を推進するツールを共同導入し、地域や業界の生産性を大きく改善したい場合に強力な後押しとなる制度です。

補助対象となるITツール・AIツールの具体例

デジタル化・IT導入補助金とは

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補助対象となるツールの範囲と具体例を確認し、導入計画に役立てましょう。

通常枠で対象となる主要ツール

ITツールとして事務局に登録を受けているものであれば幅広く補助対象となります。以下は代表的なカテゴリと具体例です。

  • 会計・財務・人事管理系
  • 業務・店舗管理系
  • AI・生成AI活用系
  • セキュリティ系

 対象となるITツールには、freee会計やマネーフォワード クラウド会計などのクラウド会計ソフト、SmartHRやfreee人事労務などの給与計算・人事管理ソフトがあります。また、在庫・販売・勤怠管理ソフトのほか、AI搭載ERP、AI議事録作成ツール、AI帳票処理ツール、生成AI活用プラットフォームも対象です。さらに、セキュリティ対策を目的とした各種ソフトウェアライセンスや、IPAが公認する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」に登録された監視サービス利用料も含まれますが、UTM等の物理的なセキュリティハードウェア機器自体の購入・調達費用は補助対象外となります。

生成AI活用プラットフォームやChatGPT等の外部サービスは、個人が直接契約する一般的な月額プランをそのまま申請するのではなく、事務局に登録されたIT導入支援事業者・ITツールの要件を満たしたうえで導入する必要があります。対象となるかどうかは、申請時点の登録ツール検索結果で確認しましょう。

パソコン購入は場合により補助対象となる

IT導入補助金でパソコンを購入できると考える事業者は多いですが、実態は条件付きです。PCやタブレットは、インボイス対応類型においてインボイス対応ソフトとのセット導入の場合のみ補助対象となります。通常枠やセキュリティ対策推進枠では、ソフトウェアと同時にセットで導入する場合であっても、PCやタブレットなどのハードウェア購入費用は補助対象外となります。

PC等のハードウェア購入が例外的に認められるインボイス枠(インボイス対応類型)においても、その対象範囲は導入するインボイス対応ソフトを稼働させるために必要最低限の機器(本体1台につき各種付属品も1つまで)に厳格に制限されます。

対応する会計・受発注・決済ソフトの同時購入・申請がシステム上の必須条件となっており、単独での購入やソフトの利用目的と関係のない不適切なハードウェア申請は、審査以前に一切受理されません。

申請の流れ:主要な5つの工程で理解する

デジタル化・IT導入補助金とは

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申請から補助金受取までの流れを5つの工程に整理しました。各工程の注意点も押さえておきましょう。

STEP1:事業の理解と自己診断

まず公募要領をよく読み、自社が申請対象かどうか、どの枠が最適かを確認しましょう。公式サイトの補助金シミュレーターを使えば、自社の規模と導入ツールに応じた補助額の目安が確認できます。

STEP2:GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言

GビズIDプライムは電子申請に必須のアカウントで、取得に数週間を要します。申請開始を決めたら早めに手続きを始めましょう。

SECURITY ACTIONは、一つ星または二つ星の自己宣言が必須要件です。情報セキュリティ対策への取り組みを自己宣言するものであり、申請前に完了させておく必要があります。

申請書類として履歴事項全部証明書(発行から3か月以内のもの)と納税証明書も必要です。有効期限が切れた証明書は受理されないため、期限管理には注意しましょう。

STEP3:IT導入支援事業者とITツールの選定

IT導入支援事業者は公式サイトのITツール検索から選定します。必ず事務局に登録された事業者・ツールを使用してください。登録外のIT導入支援事業者から購入しても補助対象外となります。複数の事業者を比較し、導入実績・サポート体制・費用を検討したうえで選ぶことが重要です。

STEP4:交付申請

IT導入支援事業者と連携し、申請マイページで交付申請に必要な書類を作成して提出します。財務・決算情報の入力では、各指標の定義を確認する必要があります。

労働生産性の算定に用いる「人件費」には、給与総額のほか、役員報酬や法定福利費の事業主負担分などが含まれます。一方、賃上げ要件の判定には「1人当たり給与支給総額」を用います。対象は従業員の給与であり、役員報酬は含まれません。

指標ごとに集計対象が異なるため、入力前に公募要領や申請マイページの定義を確認しましょう。誤った区分で入力すると、労働生産性や賃上げ要件の判定に影響するおそれがあります。

※従業員がいない場合に限り、従業員を役員と読み替え、役員報酬と役員数によって算定する例外があります。

STEP5:採択後の手続き

交付決定通知を受け取った後、ITツールの発注・契約・支払いを行います。交付決定前に発注・契約・支払いを行った場合、その経費は補助対象になりません。交付決定前の発注・契約・支払いは補助対象外となります。日付を後から調整するような対応は不正受給にあたり、返還や加算金の対象となるおそれがあります。

導入後は事業実績報告を提出し、補助額の確定・補助金の入金を受けます。補助金は後払いである点を資金計画に組み込んでおきましょう。さらに、事業実施効果報告が一定期間義務付けられています。

採択率を上げる加点項目の活用

少しでも採択率を上げるためには、加点項目を意識した対策が有効です。

主要な加点項目

通常枠での審査を有利に進めるための加点項目を押さえておきましょう。

  • 賃上げに関する事業計画の策定・従業員への表明・達成
  • クラウド製品の導入
  • インボイス制度に対応したITツールの導入
  • 一定の最低賃金に関する要件への該当
  • 「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたITツールの導入
  • 「IT戦略ナビwith」の実施
  • 「健康経営優良法人2026」の認定
  • えるぼし・くるみん等の認定
  • 「成長加速マッチングサービス」への登録
  • 「デジタル化セカンドオピニオン」の実施(第3回公募以降)

加点を狙うには、給与支給総額の増加や事業場内最低賃金の引き上げ計画を策定し、従業員へ表明することが重要です。あわせて、令和7年度における「健康経営優良法人2026」の認定、女性活躍や子育て支援を証明する各種認定(えるぼし・くるみん)の取得、IT導入支援事業者以外の第三者の専門家から客観的な助言を得る「デジタル化セカンドオピニオン」の実施や、デジタル化支援ポータルに登録しての「IT戦略ナビwith」による経営診断などを検討しましょう。

※近日、加点に関する情報を公開予定

減点措置にも注意

加点がある一方で、減点となる項目もあります。審査上の「減点措置」の対象となるのは、2022~2025年度の本補助金の受給履歴や、過去に賃上げ計画による加点を受けて採択されたにもかかわらず賃上げ目標を達成できなかった事実など、過去の受給・実行状況に厳格に紐づく項目です。申請準備と並行して、コンプライアンス面の整備も確認しておくことが重要です。

デジタル化・AI導入補助金には賃上げ要件と返還リスクがある

デジタル化・AI導入補助金においては、定められた賃上げ目標が未達に終わった場合、交付規程に基づき原則として補助金全額または一部の返還を命じる厳格な返還ペナルティが課されます。

賃上げ要件は枠・申請額ごとに異なる

通常枠において補助金申請額150万円以上を申請する場合は、3年間の賃上げ目標の策定および実行が必須要件となるため、事前に要件の基準値や未達時の返還ルールを正しく確認する必要があります。2026年度の主な変更点として、賃上げに関する要件の見直しや、過去に交付決定を受けた事業者への賃上げ要件の適用が案内されています。

ペナルティの内容

補助金申請額が150万円以上の場合や過去受給者の場合は、賃上げ目標の達成が必須要件となっており、計画した3年間の事業計画終了時点において、 1人当たり給与支給総額の目標(新規申請:年平均成長率+3.0%以上、過去受給:年平均成長率+3.5%以上)が達成できていない場合、原則として補助金交付額の全額の返還が求められます。

注:新規申請者が通常枠で補助金申請額150万円未満を申請する場合、「1人当たり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させること」は必須要件ではなく、任意の加点要件となります。

申請者 補助金申請額 1人当たり給与支給総額の目標 位置づけ
2022~2025年度に交付決定を受けていない事業者 150万円未満 年平均+3.0%以上 任意の加点項目
2022~2025年度に交付決定を受けていない事業者 150万円以上 年平均+3.0%以上 必須要件
2022~2025年度に交付決定を受けた事業者 150万円未満 年平均+3.5%以上 必須要件
2022~2025年度に交付決定を受けた事業者 150万円以上 年平均+3.5%以上 必須要件

また、事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」とすることが基本要件です。これに加えて「地域別最低賃金+50円以上」とするとさらに加点されます(+30円が必須要件、+50円は加点要素です)。この基本要件が1年でも未達となった場合は、未達となった年以降の年数に応じた割合での補助金返還が命じられます。

注:申請額が150万円未満の場合は、「地域別最低賃金+30円以上」は必須要件ではなく加点要件となります。

免除される場合

震災・風水害等の天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合や、付加価値額が目標通り伸びず、かつ企業全体として3年間の事業計画期間の過半数が営業利益赤字に陥った場合など、客観的に賃上げが不可能なやむを得ない理由が認められた場合には、返還が免除される救済規定が設けられています。ただし、決算書類などによる具体的な証明が必要です。

よくある疑問Q&A

申請を検討している事業者から多く寄せられる疑問をまとめました。自社の状況に照らし合わせながら確認してください。

Q1. デジタル化・AI導入補助金はいつから申請できますか。

A. 2026年度事業は、2026年3月30日から一斉に交付申請の受付が開始されていますが、特定の全体終了日は固定されておらず、通年で複数回の締切(1次~4次締切、さらに5次、6次締切等)が公式サイト上で順次公表・設定され、全体の予算枠上限に達し次第、早期終了となる仕組みです。

Q2. 以前IT導入補助金を利用していても再申請できますか。

A. 再申請は可能です。ただし、過去(2022~2025年度)の受給にかかる「事業実施効果報告」をすべて提出完了していることが必須の足切り要件となる上、今回の再申請においては、新規より厳しい「給与支給総額の年平均3.5%以上(新規は3.0%以上)」の賃上げ目標策定・実行(通常枠150万円以上で必須、150万円未満や他枠でも減点回避に必要)が厳格に適用されます。

Q3. 生成AIツールは補助対象になりますか。

A. IT導入支援事業者が事務局に登録した生成AIツールやAI活用プラットフォームは補助対象となります。個人が直接契約する月額プランをそのまま補助申請することはできず、IT導入支援事業者経由での導入を経ることが必要です。

Q4. パソコンのみの購入でも補助は受けられますか。

A. 通常枠ではPC単体の購入は補助対象外です。インボイス対応類型でインボイス対応ソフトとセットで導入する形であれば、上限額の範囲内で補助対象となります。ソフトウェアの導入が主目的であることが前提です。

Q5.補助金で購入したシステムを途中で解約したらどうなりますか。

A. 導入したITツールの利用期間(財産処分制限期間)内における事務局の事前承認なき一方的な解約・廃棄、または廃業や事業廃止・システム乗り換え等を行った場合は、交付規程に基づき、原則として補助金の全部または一部の返還が厳格に義務付けられます。加算金が課されるリスクもあるため、解約や乗り換えを検討する場合は、事前に事務局への確認が必要です。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金は、旧IT導入補助金から名称変更され、AIを含むITツールの導入も支援対象として案内されています。補助対象となるのは事務局登録済みのITツールであり、枠ごとに補助率・上限額・要件が異なるため、公募要領を確認したうえで申請することが重要です。

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