
GビズIDプライムは、補助金の電子申請や社会保険手続きなど、事業者向けの行政サービスをオンラインで利用するためのアカウントです。補助金の申請を予定しているものの、「GビズIDプライムとは何か」「誰が取得できるのか」「どのように申請すればよいのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、GビズIDプライムの概要、アカウントの種類、取得できる人、オンライン申請・書類申請の方法、申請時の注意点をわかりやすく解説します。法人・個人事業主を問わず、補助金の電子申請を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事からわかること
- 1 GビズIDプライムの概要と、プライム・メンバー・エントリーの違い
- 2 GビズIDプライムを取得できる人、オンライン申請・書類申請の方法と必要なもの
- 3 補助金申請でのjGrantsとの関係、申請期限直前に慌てないための注意点
目次
GビズIDとは?法人・個人事業主が取得する目的
引用:GビズIDクイックマニュアル GビズIDプライム編 法人代表者|デジタル庁
GビズIDとは、法人や個人事業主が、補助金の申請や社会保険の届出など、さまざまな行政サービスを利用するための共通アカウントです。
従来は行政サービスごとにアカウントの作成や本人確認が必要でしたが、GビズIDを取得することで、対応する複数の行政サービスに同じアカウントでログインできるようになります。これにより、行政手続きにかかる手間を減らし、オンラインで効率的に申請や届出を行うことができます。
GビズIDでできること
GビズIDを取得すると、1つのID・パスワードで、GビズIDに対応した複数の行政サービスを利用できます。代表的な用途は、補助金・助成金の電子申請、社会保険や労働保険に関する手続き、業種ごとの許認可申請・届出などです。
また、オンラインで手続きできる行政サービスであれば、窓口へ出向く時間や郵送の手間を減らせます。営業時間内に役所へ行きにくい事業者でも、必要書類を準備したうえで、都合のよい時間に手続きを進めやすい点がメリットです。
法人では、代表者が取得したアカウントを起点に、従業員・担当者向けのアカウントを用意し、組織内で役割を分担して行政手続きを行える場合があります。
GビズIDは無料で取得できる
GビズIDのアカウント作成費用や利用料金は、原則として無料です。GビズIDプライムをオンラインで申請する場合も、アカウントの発行自体に費用はかかりません。
ただし、書類郵送でGビズIDプライムを申請する場合は、アカウント料金とは別に、申請準備に伴う実費が発生します。たとえば、印鑑(登録)証明書の発行手数料、申請書類の印刷費、郵送費などは申請者の負担です。
費用を抑えて申請したい場合は、マイナンバーカードと対応スマートフォンを利用するオンライン申請を検討するとよいでしょう。
GビズIDとGビズIDプライムの関係
GビズIDは、複数の事業者向け行政サービスへログインするための共通認証サービス全体の名称です。一方、GビズIDプライムは、そのGビズIDで用意されているアカウント種別の一つです。jGrantsでの補助金の電子申請に原則として使うのは、このうちGビズIDプライムと、プライムをもとに作成するGビズIDメンバーです。公募要領に「GビズIDで申請」とあっても、必要な種別を確認しましょう。
GビズIDプライムは、オンライン申請または書類郵送申請による確認・審査を経て取得します。取得後は、対応する行政サービスを利用できるほか、必要に応じて組織内の担当者向けにGビズIDメンバーを作成・管理できます。
GビズIDの3種類|プライム・メンバー・エントリーの違い

GビズIDには、GビズIDプライム・GビズIDメンバー・GビズIDエントリーの3種類があります。いずれも事業者向け行政サービスにログインするためのアカウントですが、取得できる人、利用できるサービス、作成方法、管理できる範囲が異なります。
GビズIDプライム
GビズIDプライムは、法人代表者または個人事業主本人が取得する基本アカウントです。補助金の電子申請や各種行政手続きに利用でき、組織内の担当者向けにGビズIDメンバーを発行・管理することもできます。
取得には本人確認・審査が必要で、マイナンバーカードを使うオンライン申請、または申請書類を郵送する書類申請から選択できます。補助金申請を予定している場合は、まずプライムの取得を検討しましょう。メンバーの作成や、メンバーが利用できる行政サービスの設定は、プライムの利用者または管理者権限を持つメンバーが行います。プライムは、組織のGビズIDを管理する起点のアカウントです。
どのアカウントを取得するか迷ったら?
将来的に補助金の申請や行政サービスの利用を考えている場合は、最初から「GビズIDプライム」を取得しておくことをおすすめします。
GビズIDプライムは、取得・利用ともに無料で、利用できる行政サービスの範囲も広いため、あえて機能が限定されたエントリーを選ぶメリットはあまりありません。事前に取得しておけば、補助金の申請が必要になった際にもスムーズに手続きを進められます。
GビズIDメンバー
GビズIDメンバーは、法人や個人事業主の従業員・担当者が行政手続きを行うためのアカウントです。GビズIDプライムの利用者、または管理者権限を持つメンバーが作成します。
担当者が補助金申請などの実務を担う場合に活用できますが、利用できる行政サービスはプライム側で設定・許可された範囲に限られます。ログイン時には、プライムと同様に二段階認証が必要です。メンバーは担当者ごとに作成でき、1つのプライムのもとで複数の担当者がそれぞれのIDで手続きを行えます。
GビズIDエントリー
GビズIDエントリーは、事業を行う方がオンラインで簡単に作成できるアカウントです。本人確認や書類郵送を必要とせず、メールアドレスなどを登録すれば発行できます。
ただし、利用できる行政サービスは限定的です。補助金の電子申請を予定している場合は、エントリーで申請できると判断せず、公募要領や申請システムの案内で必要なアカウント種別を確認しましょう。作成済みのエントリーからプライムへ変更することもでき、その方法は後述の「エントリーからプライムへの変更は可能」で解説します。
補助金申請にはGビズIDプライムが必要
補助金の電子申請では、GビズIDプライムの取得が必要となるケースがあります。特に、デジタル庁が運営する補助金電子申請システム「jGrants」を利用して申請する場合は、GビズIDプライム、またはプライムをもとに作成・設定されたGビズIDメンバーでログインします。
GビズIDエントリーは本人確認を伴わずに作成できる簡易アカウントであり、利用できる行政サービスが限定されています。そのため、補助金の電子申請を予定している法人代表者・個人事業主は、まずGビズIDプライムの取得を検討しましょう。
GビズIDプライムを取得できる人
GビズIDプライムを申請できるのは、原則として法人代表者または個人事業主本人です。ここでは、立場ごとの取得可否を確認しましょう。
法人の代表者
法人の場合、GビズIDプライムを取得できるのは、原則として法人の代表者本人です。オンライン申請では代表者本人のマイナンバーカードを使い、書類郵送申請では登記上の代表者情報を確認します。そのため、従業員や外部の支援者が代表者に代わって取得することはできません。
代表者が複数いる法人では、代表者ごとにGビズIDプライムを取得できる場合があります。ただし、アカウントごとに異なるメールアドレスが必要です。実際の申請時には、登記事項証明書等に記載された代表者情報と申請内容に相違がないかを確認しましょう。
個人事業主本人
個人事業主の場合、GビズIDプライムを取得できるのは事業主本人です。補助金申請、許認可の届出、事業者向け行政サービスの利用を予定している場合は、家族、従業員ではなく、個人事業主本人が申請手続きを行います。
個人事業主が取得できるGビズIDプライムは、原則として1人につき1アカウントです。複数の屋号・事業を運営している場合でも、まずは本人の事業者情報と申請予定の手続きで必要となる情報を確認したうえで申請しましょう。家族が事業を手伝っている場合も、家族の名義でプライムを取得するのではなく、事業主本人のプライムからGビズIDメンバーを作成します。
従業員・担当者は直接取得することはできない
法人や個人事業主の従業員、補助金の申請担当者は、自身の名義でGビズIDプライムを直接申請・取得することはできません。
従業員・担当者が行政サービスを利用する場合は、代表者または個人事業主本人が取得したGビズIDプライムを起点に、担当者ごとのGビズIDメンバーを作成して利用します。
ただし、メンバーアカウントを作成しただけで、すべての行政サービスを利用できるわけではありません。補助金申請を担当者が行う場合は、メンバーアカウントの作成に加え、対象となる補助金・申請システムで利用できるかを事前に確認しましょう。
GビズIDプライムの取得方法はオンラインと書類の2種類

GビズIDプライムは、マイナンバーカードを使うオンライン申請と、申請書類を郵送する書類申請のいずれかで取得できます。必要な準備や本人確認の方法が異なるため、マイナンバーカードの有無、スマートフォンの対応状況、補助金申請までのスケジュールを踏まえて選びましょう。
オンライン申請|マイナンバーカードを使用して申請する方法
オンライン申請は、法人代表者または個人事業主本人のマイナンバーカードで本人確認・電子署名を行う方法です。パソコンで申請情報を入力し、スマートフォンのGビズIDアプリでQRコードとカードを読み取ります。書類の郵送や、印鑑(登録)証明書の取得は不要です。
申請に必要なもの
オンライン申請では、申請用端末とは別に、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンが必要です。また、スマートフォンにはGビズIDアプリをインストールします。
- メールアドレス
- スマートフォン
- マイナンバーカード
- GビズIDアプリ
- 各種暗証番号
暗証番号は、署名用電子証明書の暗証番号と、券面事項入力補助用の暗証番号を使用します。暗証番号を忘れている場合や、入力誤りでロックされている場合は、申請前に市区町村窓口などで必要な手続きを確認してください。あわせて、カード内の電子証明書が有効期限内であること、スマートフォンがカードの読み取りに対応していることも確認しておきましょう。マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンが必要です。
お使いのスマートフォンが対応しているかどうかは、マイナンバーカード対応スマートフォン一覧(公式サイト)から確認できます。
取得までにかかる期間
オンライン申請は、マイナンバーカードによる電子署名を利用して本人確認を行うため、書類郵送申請より早く利用開始できる可能性があります。準備や申請内容に不備がなければ、最短で即日に発行される場合があります。
ただし、申請内容に確認が必要な場合や、マイナンバーカードの情報と入力内容が一致しない場合は、手続きに時間がかかることがあります。また、法人は申請内容の登録後に審査結果が表示されてから、アプリ認証・SMS認証へ進みます。個人事業主は登録に続けて認証へ進めますが、法人は審査を待つ時間も見込んでおきましょう。
書類申請|GビズIDプライム申請書を郵送する方法
書類申請は、Web上で作成したGビズIDプライム登録申請書を印刷し、印鑑(登録)証明書とともに郵送する方法です。マイナンバーカードを保有していない場合や、カード読み取りに対応したスマートフォンを利用できない場合に選択できます。
申請に必要なもの
書類申請では、Web上で申請情報を入力した後、登録申請書をダウンロードして印刷します。
- GビズIDプライム登録申請書
- 印鑑(登録)証明書(発行より3か月以内の原本)
- パソコンやスマートフォン
- プリンター
- 実印
- SMSが受信できるスマートフォンまたは携帯電話
- メールアドレス
法人は法務局で取得する印鑑証明書、個人事業主は市区町村で取得する印鑑登録証明書を用意します。提出書類は原則として返却されないため、必要に応じて郵送前に控えを保管しておくと安心です。記載内容や登録印が印鑑(登録)証明書と異なると、再提出が必要になる場合があります。誤りは手書きで訂正せず、Web上で申請内容を修正して申請書を作り直しましょう。
取得までにかかる期間
書類郵送申請は、申請書類がGビズID運用センターに到着した後に内容確認・審査が行われます。郵送にかかる日数に加え、書類の確認や不備対応の時間も見込む必要があります。
不備がない場合でも、審査完了まで2週間程度かかることがあります。さらに、印鑑(登録)証明書の取得や申請書の印刷など、郵送前の準備にも時間がかかります。オンライン申請より日数がかかることを前提に、補助金の申請スケジュールを組みましょう。
補助金の締切直前にGビズIDプライムを取得するリスク
補助金の締切直前にGビズIDプライムを取得しようとすると、アカウント発行や初期設定が間に合わず、申請そのものを完了できないおそれがあります。書類郵送申請は、書類到着後の審査に2週間程度かかるため、締切間際では間に合わない可能性があります。
オンライン申請も、登録情報の不一致、マイナンバーカードの暗証番号ロック、審査確認などで時間を要する場合があります。審査完了後にはSMS認証や二段階認証の設定も必要です。さらに、jGrants等で申請内容を入力し、必要書類を添付・送信する時間も確保しなければなりません。補助金を検討し始めた段階で、余裕を持って取得しましょう。
GビズIDプライムのオンライン申請手順
公式マニュアルを開きながら進めると、全画面を確認できます。法人は「GビズIDクイックマニュアル GビズIDプライム編 法人代表者」のP.4〜16、個人事業主は「個人事業主編」のP.4〜14が該当します。
GビズIDプライムのオンライン申請の流れ
| ステップ | 工程 | 内容 |
| 1 | 事前チェック | パソコンでTOPページから事前チェックに回答する |
| 2 | メールアドレスの登録 | メールアドレスを登録し、ワンタイムパスワードで確認する |
| 3 | 申請情報の入力 | 事業者情報・連絡先・ログインパスワードを入力して登録する |
| 4 | QRコードの読み取り | パソコンのQRコードをスマートフォンのアプリで読み取る |
| 5 | マイナンバーカード読み取り | アプリで暗証番号を入力し、カードを読み取る |
| 6 | 申請内容の登録と審査 | パソコンで申請内容を登録し、審査を開始する |
| 7 | アプリ認証とSMS認証 | アプリ認証を設定し、SMSのワンタイムパスワードで完了する |
1. 公式サイトから事前チェックに回答する
スマートフォンにGビズIDアプリを入れたうえで、パソコンでTOPページから進めます。
- 「GビズIDアカウントの作成をはじめる」を押す
- 「プライムアカウントを申請する」→「事前チェックに進む」へ進む
- 法人は「法人代表者、府省・地方公共団体職員」、個人事業主は「個人事業主」を選び、「次へ」へ進む
- 「両方とも覚えている」「持っている」「持っている」を順に選び、そのつど「次へ」へ進む
オンライン申請にはマイナンバーカードが必要です。カードがない場合は、書類申請を選びます。

引用:GビズIDクイックマニュアル(法人代表者編)|デジタル庁
2. メールアドレスを登録する
「オンライン申請を開始する」を押し、アカウントIDにするメールアドレスを登録します。事前に「gbiz-id.go.jp」からの受信設定を確認しておきましょう。
- 「オンライン申請を開始する」を押す
- メールアドレスを入力し、利用規約のチェックボックスを選択する
- 「入力内容を確認する」→「この内容で送信する」を押す
- メールのワンタイムパスワードを入力し、「この内容で送信する」を押す
ワンタイムパスワードは30分以内に入力しないと、最初からやり直しです。届かない場合は、入力アドレスに誤りがあるか、迷惑メールなどに振り分けられている可能性があるので確認してください。

引用:GビズIDクイックマニュアル(法人代表者編)|デジタル庁
3. 申請情報とパスワードを入力する
法人は法人番号、個人事業主は屋号を入力します。
- 法人は法人番号を入力して「法人情報取得」を押す(法人名・事業所所在地が自動入力)。個人事業主は屋号を入力する
- 代表者氏名フリガナ、連絡先郵便番号・住所、SMS受信用電話番号を入力する
- 「GビズIDログインパスワード」「パスワード(確認用)」を入力し、「入力内容を確認する」を押す
- 「この内容で登録する」を押す
「この内容で登録する」でエントリーアカウントが作成されます。中断時はマイページにログインし、「GビズIDプライムに変更する」から再開します。

引用:GビズIDクイックマニュアル(法人代表者編)|デジタル庁
4. パソコンのQRコードをアプリで読み取る
パソコンに表示されたQRコードを、スマートフォンのGビズIDアプリで読み取ります。初めて起動する場合は、先に「アプリの利用をはじめる」「利用規約に同意する」などが表示されます。
- アプリを起動し、「はじめる」を押す
- 「画面上のQRコードを読み取る」を押し、パソコンのQRコードを読み取る
QRコードの有効期限は10分です。期限切れは「QRコードを再表示する」を選択します。再表示すると、それまでのQRコードは無効です。

引用:GビズIDクイックマニュアル(法人代表者編)|デジタル庁

引用:GビズIDアプリご利用マニュアル|デジタル庁
5. マイナンバーカードで本人確認する
QRコードを読み取ると、マイナンバーカードの読み取りに進みます。カード発行時に設定した暗証番号を使います。
- 券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)と署名用電子証明書暗証番号(英数字6〜16桁)を、画面の表示に沿って入力する
- 「この内容で送信」を押す
- 「読み取り開始」を押し、カードをスマートフォンにかざす
- 読み取り完了の画面を確認する
数字4桁は3回、英数字6〜16桁は5回続けて間違えるとロックされます。読み取れない場合は、スマートフォンの保護カバーを外してみてください。

引用:GビズIDアプリご利用マニュアル|デジタル庁
6. 申請内容を登録して審査を待つ
アプリの操作後はパソコンに戻り、申請内容を登録します。登録すると審査が始まり、審査中の追加操作は不要です。
- 表示された内容に誤りがないか確認する
- 「この内容で登録する」を押す
- 法人は、審査結果が表示されるまで待つ。個人事業主は手順7の「アプリ認証を設定する」へ進む
法人代表者編では、結果が「審査完了」なら手順7へ進みます。「再審査受付」は9章へ進みます。「審査不可」は10章のとおり、デジタル庁GビズIDヘルプデスク(0570-023-797、9:00〜17:00、土・日・祝日・年末年始を除く)へ連絡します。

引用:GビズIDクイックマニュアル(法人代表者編)|デジタル庁
7. アプリ認証とSMS認証を済ませて完了
法人は審査完了の表示後、個人事業主は手順6に続けて行います。
- 「アプリ認証を設定する」を押し(法人は続けて「次へ進む」)、アプリでQRコードを読み取る
- アプリのワンタイムパスワードを入力し、「この内容で送信する」を押す
- 「次へ進む」を押す(法人は2回、個人事業主は1回)
- SMSのワンタイムパスワードを入力し、「この内容で送信する」を押す
中断時は審査完了後に、メールのURLかマイページの「SMS認証を行う」から再開できます。

引用:GビズIDクイックマニュアル(法人代表者編)|デジタル庁

引用:GビズIDアプリご利用マニュアル|デジタル庁
GビズIDプライム取得後にやること
取得後は、マイページやjGrantsへのログイン、有効期限を確認しておきましょう。従業員が申請実務を担う場合は、担当者用のGビズIDメンバーも設定します。
1. ログイン確認
登録完了後はGビズIDマイページを開き、アカウントIDとパスワードを入力してログインします。続いてGビズIDアプリまたはSMSで二段階認証を行い、マイページが表示されることを確認してください。端末変更やアプリ更新が必要な場合に備え、補助金の締切より前に一度ログインしておくと安心です。
ログインできない場合は、アカウントIDとして登録したメールアドレスとパスワードに誤りがないかを確認してください。二段階認証に使うスマートフォンを機種変更する予定がある場合は、変更後に必要なアプリ認証の設定手順も確認しておきましょう。

2. jGrants等へのログイン
補助金を電子申請する場合は、jGrantsなど対象サービスのログイン画面で「GビズIDでログイン」を選択します。初回ログイン後は、GビズIDから引き継がれた法人名・所在地・代表者情報に誤りがないか確認してください。申請予定の補助金がGビズIDメンバーで操作できるか、公募要領や操作マニュアルも確認します。メンバーでログインする場合は、プライムの利用者がそのメンバーにjGrantsの利用を許可しているかも確認しておきましょう。

引用:Jグランツ|デジタル庁
3. GビズIDメンバーの設定
従業員や申請担当者が実務を行う場合は、プライム利用者がマイページからGビズIDメンバーを作成します。担当者本人のメールアドレスとSMSを受信できる電話番号を登録し、必要な行政サービスだけを利用できるよう設定してください。代表者のアカウントを共有せず、担当者の異動・退職時には権限を見直しましょう。メンバーを作成した後は、担当者本人にも早めにログインと二段階認証を済ませてもらいましょう。
4. 有効期限の確認
2026年7月以降、GビズIDプライムとGビズIDメンバーの有効期間は2年3か月です。期限はマイページで確認でき、自動更新はされません。有効期限が切れると行政サービスへのログインやメンバー作成などが制限されます。本人確認を含む更新には2週間ほどかかる場合があるため、通知を受け取ったら早めに更新しましょう。補助金によっては、採択後の交付申請や実績報告もjGrantsで行います。交付後の実績報告の時期まで有効期限が切れないかを確認し、担当者のメンバーアカウントの有効期限もあわせて確認しておきましょう。
エントリーからプライムへの変更は可能
GビズIDエントリーからGビズIDプライムへの変更申請は可能です。GビズIDプライムのオンライン申請を開始すると、手続きの再開や審査状況の確認に使用するエントリーアカウントが作成されます。途中で手続きを中断した場合も、エントリーアカウントでGビズIDマイページにログインし、「GビズIDプライムに変更する」から申請を再開できます。
変更手続きの方法は、事業区分や現在の登録状況によって異なります。エントリーアカウントでマイページにログインし、「GビズIDプライムへの変更」から事前チェックを行い、画面で案内された方法に従ってください。書類郵送が案内された場合は、申請書に実印を押印し、発行から3か月以内の印鑑(登録)証明書原本を添えて送付します。
GビズIDプライムとjGrantsの関係
jGrants(Jグランツ)は、国や自治体が実施する補助金・助成金の情報を検索し、オンラインで申請手続きを行うための電子申請システムです。GビズIDは、jGrantsへログインする際の認証基盤として利用されており、補助金の電子申請を進めるうえで両者は密接に関係しています。
jGrantsの利用・ログインにはGビズIDが必要
jGrantsで補助金を検索するだけであれば、ログインを必要としない場合があります。一方で、補助金の公募申請、申請後の進捗確認、交付申請、実績報告などの手続きを行うには、GビズIDを用いてログインする必要があります。
jGrantsの電子申請に利用できるのは、原則としてGビズIDプライム、またはGビズIDプライムを起点に作成・利用設定されたGビズIDメンバーです。本人確認を伴わずに作成できるGビズIDエントリーでは、jGrants上で補助金申請を行えません。
プライム・メンバーでログインする際は、GビズIDアプリやメールワンタイムパスワードなどを用いた二段階認証を行います。
事業者情報を引き継げるため入力・添付の負担を減らせる
GビズIDプライムは、法人代表者または個人事業主本人の確認を経て発行されます。そのため、GビズIDでjGrantsにログインすると、登録済みの法人名、所在地、代表者情報などの基本情報を、申請画面で活用できる場合があります。
基本情報を一から入力する手間を減らせるため、入力ミスの防止につながります。また、申請のたびに事業者の実在確認に関する書類を準備・提出する負担を抑えられることも、電子申請のメリットです。
ただし、補助金ごとに求められる申請書類や添付資料まで自動的に省略されるわけではありません。事業計画書、見積書、決算書、賃上げ計画など、補助金独自の提出書類は別途準備が必要です。
専門家へ補助金申請を委任できる
補助金によっては、GビズIDの委任機能を利用して、対応する専門家に申請手続きを委任できます。
委任機能を利用すれば、事業者がID・パスワードを専門家へ共有する必要はありません。マイページ上で委任関係の申請・承認を行い、専門家側が代理人として必要な範囲で手続きを進める仕組みです。
委任する事業者側と受任する専門家側の双方で、GビズIDプライムが必要になる場合があります。また、代理申請の可否、委任できる操作の範囲、代表者本人による最終確認の要否は、補助金や行政サービスによって異なります。
補助金申請を予定している場合の注意点
補助金申請を予定している場合は、公募開始前にGビズIDプライムを取得しておくことが大切です。あわせて、取得後の申請の流れも確認しておきましょう。
公募開始前に取得する
補助金の公募が始まってからGビズIDプライムを準備すると、審査や初期設定に時間を取られ、申請書類の作成期間が短くなります。補助金の活用を検討し始めた時点で取得し、実際にログインできるところまで確認しておきましょう。公募要領が公開される前でも、GビズIDプライムは無料で取得できます。取得後は、手順7のアプリ認証・SMS認証まで済ませておきます。従業員が申請を担当する場合は、担当者用のGビズIDメンバーの作成と権限設定も、公募開始前に終えておきましょう。
取得後に補助金申請を行う
取得後はjGrantsなど対象の申請システムにログインし、公募要領を確認したうえで申請情報の入力、事業計画書や見積書などの添付、送信までを行います。締切日時ではなく、社内確認や差し戻しに対応できる期限を決めて進めると安心です。
公募要領には、申請期間のほかに、提出が必要な書類や申請に使うシステムが記載されています。補助金によってはjGrants以外の申請システムを使う場合もあるため、最初に公募要領で申請方法を確認してから準備を始めましょう。社内で入力担当と内容確認の担当を分けておくと、送信前の確認漏れを防ぎやすくなります。
よくある質問(FAQ)
ここでは、GビズIDプライムの取得や補助金申請について、よくある質問をまとめました。費用、法人設立直後や個人事業主の取得可否、専門家による代理取得、有効期限など、申請前に確認しておきたい点を簡潔に回答します。
無料で取得できますか?
A. GビズIDのアカウント作成・利用は無料です。
ただし、書類郵送申請では印鑑証明書の発行手数料、印刷費、郵送費などの実費がかかります。
法人設立直後でも取得できますか?
A. 法人番号が付与され、登記情報を確認できる法人であれば申請できます。
オンライン申請では、入力した法人情報と登記情報が一致しているかを確認してから進めましょう。
個人事業主でも取得できますか?
A. 個人事業主本人もGビズIDプライムを取得できます。
オンライン申請では本人のマイナンバーカード、書類申請では市区町村が発行する印鑑登録証明書などが必要です。
税理士・コンサルが代わりに作れますか?
A. GビズIDプライムは、法人代表者または個人事業主本人が申請します。
税理士やコンサルタントが本人に代わって取得することはできません。取得後は、対象サービスが対応していれば委任機能を使い、専門家へ申請手続きを委任できます。
1社で複数取得できますか?
A. 法人に複数の代表者がいる場合は、代表者ごとにプライムアカウントを取得できる場合があります。
各アカウントには別々のメールアドレスが必要です。従業員・担当者用には、プライムを増やすのではなくGビズIDメンバーを作成します。
GビズIDエントリーで補助金申請はできますか?
A. GビズIDエントリーは利用できる行政サービスが限定された簡易アカウントです。
jGrantsで補助金を電子申請する場合は、原則としてGビズIDプライム、または利用設定済みのGビズIDメンバーを使用します。
有効期限はありますか?
A. 2026年7月以降、GビズIDプライムとGビズIDメンバーには2年3か月の有効期限が設定されています。
エントリーには有効期限がありません。有効期限はマイページで確認でき、自動更新ではないため、期限前に更新手続きを行いましょう。
まとめ
GビズIDプライムは、補助金の電子申請をはじめ、複数の行政サービスを共通のIDで利用するための基本アカウントです。マイナンバーカードと対応スマートフォンがあればオンラインで申請でき、法人・個人事業主ともに最短即日の発行が案内されています。書類申請を選ぶ場合は、書類到着後の審査に2週間程度かかるため、余裕を持って準備しましょう。
取得後はログインと認証方法、有効期限を確認し、必要に応じて担当者用のGビズIDメンバーを設定します。補助金の公募が始まる前に利用環境を整えておけば、jGrantsでの申請書作成や添付書類の確認に時間を充てられます。最新の申請条件や画面は、GビズID公式サイトで確認してください。



中小企業診断士 獣医師