補助金の採択率を高める「加点項目」とは?代表的な加点制度を解説

補助金の採択率を高める「加点項目」とは?代表的な加点制度を解説

補助金の採択審査は、事業計画書の内容だけで点数が決まるわけではありません。多くの補助金には「加点項目」という制度が設けられており、あらかじめ特定の認定や取組を済ませておくことで、審査の点数に上乗せを受けられます。

補助金の加点項目にはいくつかのパターンがあり、それぞれ準備にかかる期間や難易度、必要な手続きはさまざまです。

本記事では、加点項目の基本的な考え方と3つのパターン、主要な補助金で採用されている代表的な加点項目、準備を進める際に注意すべき点を解説します。事業計画の作成と並行して加点項目の準備を進めることで、審査に向けた準備を計画的に進めやすくなります。

この記事からわかること

  1. 1 加点項目が採択結果を左右する理由と3つのパターンの違い
  2. 2 経営革新計画やBCPなど代表的な加点項目の特徴
  3. 3 加点項目を準備するうえで注意すべきポイント

目次

補助金の加点項目とは審査基準の点数に上乗せする仕組み

補助金の審査では、事業の実現性や収益性、成長性、補助事業を実施する必要性などをもとに、事業計画の内容が評価されます。こうした基本的な評価に加え、国や自治体が推進する取組を行う事業者を評価する仕組みが「加点項目」です。

加点項目の例としては、経営革新計画の承認、事業継続力強化計画の認定、賃上げ、事業承継、女性活躍や仕事と生活の両立支援に関する取組などがあります。ただし、対象となる取組や申請要件、必要書類は補助金ごとに異なります。

加点は、事業計画そのものの審査に代わるものではありません。事業内容や資金計画、実施体制に実現性があることを前提として、政策的に評価される取組を行っている場合に、追加の評価を受けられる仕組みと考えましょう。

加点の「1点」はどれほど重要?

加点の「1点」はどれほど重要?

加点の具体的な配点や、採択ライン付近でどの程度の差になるかは、補助金ごとに異なります。また、応募者の審査得点の分布や採択ラインは通常公表されないため、「加点1点で何社分の差がつく」と一律に示すことはできません。

一方で、加点項目は、事業計画の基本評価とは別に、政策上重視される取組を審査に反映するために設けられています。事業計画の評価が近い申請者が並ぶ場合、加点要件を満たしているかどうかが採択判断に影響する可能性があります。

そのため、加点は採択を保証するものではないものの、要件を満たしているにもかかわらず申請しないと、本来得られる可能性がある評価を取りこぼすおそれがあります。申請準備の早い段階で、自社に該当する加点項目を洗い出しておくことが大切です。

加点項目が設けられている政策的な背景

加点項目が設けられている背景には、国や自治体が中小企業に広げたい政策課題があります。主なテーマとして、次のような取組が挙げられます。

  • 賃上げ
  • 事業承継・M&A
  • 災害対応力の強化
  • 女性活躍や仕事と生活の両立支援
  • 取引適正化やパートナーシップの構築
  • DXや生産性向上に関する取組

たとえば、事業継続力強化計画に関する加点には、自然災害や感染症などのリスクに備え、事業を継続・早期復旧できる体制づくりを促す目的があります。賃上げに関する加点には、補助事業による成長の成果を従業員へ還元する取組を後押しする狙いがあります。

加点項目は、こうした取組を採択審査に反映させることで、事業者の実施を促すための仕組みです。ものづくり補助金では、経営革新計画、パートナーシップ構築宣言、事業継続力強化計画、賃上げ、事業承継・M&Aなど複数の加点項目が用意され、申請できる数には上限があります。

ただし、加点項目の数を増やすことだけを目的に、実行が難しい取組を計画するのは適切ではありません。自社の経営状況や補助事業の内容に合った取組を選び、事業計画と矛盾しない形で申請することが重要です。

加点項目の確認方法と準備の進め方

加点項目は、該当する取組を行っているだけで自動的に評価されるとは限りません。申請を検討する補助金の公募要領と申請様式を確認し、自社が加点対象に該当するか、いつまでに要件を満たす必要があるか、どの書類を提出するかを整理する必要があります。具体的には、次の4点を確認しましょう。

  • 対象要件:自社が加点対象となる条件
  • 基準日:認定・登録・宣言などを完了しておく期限
  • 必要書類:認定書、誓約書、賃金台帳などの証明資料
  • 申請方法:申請画面での選択、所定様式への記載、添付の要否

加点項目のなかには、応募締切日時点で認定・登録・宣言の公表などが完了していることを求めるものがあります。事業計画書を書き始めてから確認するのではなく、申請準備の早い段階で加点項目を洗い出しましょう。

証明書類の添付による確認

加点要件に該当するかどうかは、事業計画書の記載だけで判断されるものではありません。加点項目に応じて、認定書、承認書、宣言の公表状況、誓約書、賃金台帳などの確認資料を提出する必要があります。

たとえば、旧ものづくり補助金では、経営革新計画は承認の有効性、事業継続力強化計画は認定状況、賃上げ関連は所定の誓約や賃金に関する資料によって確認されました。

補助金によっては、申請画面で加点項目を選ぶだけでなく、別途書類の添付や所定様式への記入が求められます。要件への該当だけでなく、書類の有効期限や提出方法まであわせて確認することが必要です。

加点項目の見落としに注意する

加点項目は、公募要領の審査項目とは別の箇所にまとめられていることがあります。そのため、事業計画書の作成や経費の確認を優先するあまり、加点項目を確認しないまま申請準備を進めてしまうことがあります。

特に注意したいのは、加点要件を満たす基準日です。補助金によっては、申請締切日時点で認定を受けていることや、締切日前日までに宣言を公表していることなどが求められます。

事業計画とあわせて準備を進める

加点項目の準備は、事業計画書の作成と切り離して進めるのではなく、売上計画や利益計画、人員計画とあわせて検討することが大切です。

たとえば、賃上げに関する加点を検討する場合は、補助事業による売上や利益の見込み、人件費の増加、資金繰りへの影響を踏まえ、実行可能な賃上げ水準を設定する必要があります。

また、経営革新計画や事業継続力強化計画に関する加点を利用する場合も、補助事業の内容との関係を整理しておくと、申請書全体の説得力を高めやすくなります。

加点項目は、単に「取れる点数」を増やすためのものではありません。自社が実際に取り組む内容を事業計画に反映し、審査で矛盾のない申請内容にまとめることが重要です。

加点項目の主な3つのパターン

加点項目の主な3つのパターン

補助金の加点項目は、性質によって大きく3つのパターンに分けられます。それぞれ準備にかかる期間や取り組み方が異なるため、パターンごとの特徴を理解しておくと準備の優先順位を判断しやすくなります。

制度の認定や登録による加点項目

制度認定・登録型の加点項目は、国や自治体、関係機関による認定や登録を通じて得られる仕組みです。

制度認定や登録による主な制度

経営革新計画の承認、事業継続力強化計画の認定、パートナーシップ構築宣言の登録のほか、くるみん認定やえるぼし認定、健康経営優良法人の認定、技術情報管理認証などが、この型に含まれます。

事前に手続きを済ませておくことで、複数の補助金申請で共通して加点とすることも可能です。

制度によって異なる審査や登録の期間

制度によって審査や手続きにかかる期間は大きく異なります。パートナーシップ構築宣言のように、専用のポータルサイトで宣言文を登録するだけで公表まで完了し、比較的短期間で済む制度もあります。

一方、経営革新計画や事業継続力強化計画は、都道府県や国の審査を経て承認や認定を受けるまでに一定の期間を要する点が特徴です。承認や認定に時間を要する制度ほど、公募締切から逆算して早めに準備を始めましょう。

くるみん認定などの手続き期間の目安

くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を実施し、育児休業取得率などの認定基準を満たすことが必要です。えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づく行動計画を策定・届出したうえで、採用や継続就業、管理職比率など女性活躍に関する実績基準を満たすことが必要です。くるみん認定は行動計画の実施期間を要するため、特に早めの準備が必要です。一方、えるぼし認定は、必要な実績基準を満たしていれば、行動計画の終了を待たずに申請できる場合があります。

健康経営優良法人の認定は申請の受付時期があらかじめ定められているため、時期を逃すと次の受付まで待つ必要がある点に注意しましょう。

企業の属性や状態による加点項目

企業の属性や状態による加点項目は、再生事業者や一定期間内に事業承継・M&Aを行った事業者、創業から間もない事業者など、申請時点ですでに一定の要件を満たしている場合に対象となる加点です。新たに認定や登録を取得するのではなく、自社が定められた条件に該当するかを確認します。

再生事業者に関する加点の注意点

該当する場合は、申請時に所定の証明書類を提出して要件を確認します。

一方で、再生事業者や事業承継の定義は補助金ごとに細かく異なり、自社が対象に含まれるかどうかの判断が難しい場合もあります。再生事業者の加点は、金融機関や中小企業活性化協議会などの関与を受けて再生計画に取り組んでいる点が条件です。

制度上の定義を確認したうえで、公的支援機関の専門相談員や中小企業診断士など専門家に相談する進め方も有効です。

事業承継や創業に関する加点の判定基準

事業承継やM&Aに関する加点は、主に2種類あります。

  • 親族内で事業を引き継ぐ場合
  • 第三者への譲渡やM&Aによって承継する場合

もちろん、両方を対象にしている補助金もあります。創業や第二創業から間もない事業者への加点も、創業した年数や登記事項証明書などで確認できる客観的な事実に基づいて判定されます。必要となる証明書類は補助金によって異なるため、申請前に確認しておきましょう。

目標設定や取組による加点項目

目標設定や取組による加点項目は、賃上げや最低賃金の引上げなど、申請者自身が目標を設定し、達成状況の報告が求められるパターンです。

目標設定や取組による加点の具体例

給与支給総額の伸び率や事業場内最低賃金の引上げ額など、補助金ごとに具体的な数値要件が定められています。従業員数が一定規模以下の企業が短時間労働者を被用者保険に加入させる取組も、このパターンに含まれる加点項目の1つです。

目標未達のリスクと確認すべき基準

このパターンの加点項目は、認定や登録のように第三者機関の手続きを経る必要がない一方、補助事業の実施後に目標達成の状況を報告する義務が伴います。目標を達成できなかった場合に補助金の一部返還が求められる制度もあるため、自社の資金計画や雇用状況と照らし合わせながら、実現可能な水準での目標設定が必要です。

賃上げの数値要件は補助金ごとに設定の仕方が異なり、給与支給総額の伸び率で判断する制度もあれば、事業場内の最低賃金の水準で判断する制度もあります。自社に適用される評価基準を把握したうえで、実現可能な目標を設定しましょう。

地域別最低賃金の確認方法

地域別最低賃金の確認方法

事業場内の最低賃金は、都道府県ごとに定められている地域別最低賃金を基準に、そこから一定額を上乗せする形で設定されている補助金があります。地域によって最低賃金の水準が異なるため、自社の所在地における地域別最低賃金をあわせて確認しておくと、必要な引上げ額が把握しやすくなります。

達成状況の報告は、補助事業の完了から一定の期間を経た時点で求められるのが一般的で、報告の時期や方法も、申請時点であわせて把握しておきましょう。

ポイント
加点項目は、準備に必要な期間や確認方法が異なります。3つのパターンの特徴を踏まえ、自社で対応できる項目から計画的に準備しましょう。

主要な補助金で採用されている代表的な加点項目

主要な補助金で採用されている代表的な加点項目

加点項目の内容は補助金ごとに異なりますが、代表的な項目の傾向や確認方法を知っておくと準備を進めやすくなります。

主要な補助金に共通する代表的な加点項目

経営革新計画や事業継続力強化計画、パートナーシップ構築宣言、賃上げへの取組は、複数の補助金で共通して採用されている代表的な加点項目です。

補助金の分野を問わず共通する加点項目

設備投資を支援する新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や、販路開拓を支援する小規模事業者持続化補助金、省力化投資や大規模な成長投資を支援する補助金など、対象は幅広くなっています。

 

これらの制度では、一部共通した加点項目が設けられています。1つの制度の認定や登録を済ませておけば、複数の補助金に共通して活用できる場合も少なくありません。それぞれの補助金で加点項目の名称や要件が細かく異なる場合があるため、申請前に、対象要件や必要書類の違いを整理しておきましょう。

補助金の特性による加点項目の傾向の違い

設備投資を支援する補助金では、技術面の認証や成長性に関わる加点項目が多く採用され、雇用や働き方に関わる補助金では、くるみん認定やえるぼし認定など人材面の加点項目が採用されやすい傾向にあります。

自社が申請を検討している補助金の分野に応じて、優先的に準備すべき加点項目も変わってくるはずです。

新しい分野の補助金にも共通する加点項目

省エネルギーへの投資や非化石エネルギーへの転換を支援する補助金もあります。中堅企業や中小企業の大規模な成長投資を支援する補助金も含め、比較的新しい分野の補助金でも、経営革新計画やパートナーシップ構築宣言といった共通の加点項目が採用されるケースがある点は同様です。

ポイント
加点項目の考え方は補助金分野をまたいで共通する部分が多いため、ひとつの補助金で調べておくと他の補助金の検討にも役立ちます。固有の加点項目は制度ごとに異なるため、対象要件・基準日・必要書類を個別に整理しましょう。

代表的な加点制度の一覧と概要

代表的な加点制度と、加点項目のパターンは次のとおりです。

加点制度の名称 加点項目のパターン 所管省庁など
経営革新計画 制度の認定や登録 都道府県、中小企業庁
事業継続力強化計画 制度の認定や登録 中小企業庁
パートナーシップ構築宣言 制度の認定や登録 内閣府、中小企業庁など
くるみん認定、えるぼし認定 制度の認定や登録 厚生労働省
賃上げ、最低賃金引上げ 目標設定や取組 各補助金の事務局

【引用:経営革新支援|中小企業庁】

【引用:中小企業庁:申請方法等について|中小企業庁 】

【引用:パートナーシップ構築宣言|内閣府ほか 】

【引用:女性活躍推進法への取組状況|厚生労働省 】

経営革新計画は新たな事業活動の計画に対する都道府県知事などの承認、事業継続力強化計画は災害時の事業継続に向けた取組に対する経済産業大臣の認定に当たります。パートナーシップ構築宣言は取引先との望ましい取引慣行への取組姿勢の公表、くるみん認定とえるぼし認定は子育て支援や女性活躍の実績に基づく厚生労働大臣の認定です。

そのほかの加点項目の例

このほかにも、補助金の種類によって次のような加点項目が設けられています。

  • 健康経営優良法人:健康経営の取組を日本健康会議が認定
  • DX認定:デジタル変革の取組方針を国が認定
  • 技術情報管理認証:技術情報の管理体制を第三者機関が認証(製造業中心)
  • 被用者保険の任意適用:従業員50名以下の企業が短時間労働者を社会保険に加入させた場合が対象
  • 創業・第二創業/再生事業者/事業承継・M&A:企業の状態そのものが加点対象
  • 成長加速マッチングサービス:成長を目指す事業者と、金融機関・投資機関・認定支援機関などをつなぐマッチングサービス
  • アトツギ甲子園:中小企業の後継者が、既存の経営資源を活用した新規事業のアイデアを競うピッチコンテスト
  • 研究開発費・試験研究費計上:研究開発費または試験研究費を計上し、研究開発に取り組んでいる事業者を評価する加点項目
  • J-Startup:革新的な技術やビジネスモデルを持ち、グローバルな活躍が期待されるスタートアップを選定・支援する制度

すべての補助金で採用されているわけではないため、自社が申請する制度で対象になるかを確認しましょう。

加点項目の確認方法

加点項目がどのように定められているかは、公募要領のなかの審査項目や加点項目を扱う章にまとめて記載されているのが一般的です。あわせて、申請時に提出する様式のなかに、加点項目の該当有無を申告する確認欄が用意されている場合もあります。

確認時は、本文の要件だけでなく、様式一覧や記入要領にも目を通すと、必要な証明書類を見落としにくくなります。過去の募集内容は、加点項目の変更傾向を把握する参考にはなりますが、申請時は今回の募集内容を基準に判断しましょう。

加点項目を準備する際の注意点

加点項目を準備する際の注意点

加点項目は、要件を満たしていても基準日や申請時の扱いを誤ると、加点の対象にならない場合があります。ここでは、申請準備でつまずきやすい4つのポイントを解説します。

基準日

加点項目の多くは、公募要領に示された基準日の時点で有効な認定や登録が条件です。基準日は審査開始日や交付決定日ではなく申請締切日に設定されている補助金が多く、事業継続力強化計画や経営革新計画のように認定や承認に時間がかかる制度は、締切直前の着手では基準日に間に合わない可能性があります。

基準日の定義は制度によって異なり、認定書の発行日を基準にする場合と、公募要領に定めた日付までの受理を基準にする場合があるため、解釈を誤ると加点対象と認められないおそれがある点に注意が必要です。不明な点は早めに事務局や所管窓口に確認しておきましょう。複数の補助金に並行して申請する場合は基準日も制度ごとに異なるため、一覧にまとめて準備の時期を管理すると安心です。

認定済みと申請中の違い

補助金によっては、認定や登録が完了している状態のみを加点の対象とし、申請中や審査中の状態は加点の対象外としている場合があります。

一方で、申請を行った事実だけで加点の対象になる制度も一部に存在します。加点の対象になる状態が、認定済みなのか申請中でもよいのかは、制度ごとに異なります。この違いを見落とすと、手続きを進めていたにもかかわらず加点が受けられません。

とくに、複数の補助金へ同時に申請する場合は、加点対象となる状態の扱いが異なる点に注意が必要です。同じ制度であっても、補助金によって加点の対象になる状態の定義が異なる場合があるため、思い込みで判断しないことが大切です。

公募回ごとの変更

加点項目は毎回の公募で同じ内容が続くとは限らず、項目の追加・削除や要件の見直しが行われることがあります。前回利用できた加点項目が、今回も対象になるとは限りません。反対に、新しい政策課題に対応する形で加点項目が追加されることもあります。申請にあたっては、今回の募集内容を基準に準備を進めましょう。

とくに、他の事業者が運営するウェブサイトで紹介されている加点項目の情報は、過去の公募回の内容にもとづいている場合があります。参考にする際は更新時期を確認し、申請にあたっては今回の募集内容と相違がないかを確認しましょう。

無理な賃上げ目標等に注意

賃上げに関する加点では目標設定の妥当性に、複数の加点を組み合わせる場合は加点上限や減点項目の有無に注意が必要です。

無理な賃上げ目標を設定しない

加点を得るために自社の資金繰りや事業計画に見合わない高い目標を設定すると、補助事業の完了後に目標未達となり、補助金の一部返還を求められる場合があります。賃上げ目標は加点の獲得だけを目的にせず、自社の売上計画や人件費の見通しと照らし合わせて設定しましょう。従業員数や業種によって実現しやすい賃上げ幅は異なるため、専門家の意見も参考にすると安心です。

加点の組み合わせ上限と減点項目に注意

加点項目は複数を組み合わせて申請できる補助金が一般的ですが、加点の合計に上限が設けられている場合や、特定の組み合わせが対象外とされている場合があります。

補助金の複数回利用や補助要件の未達など、点数を減じる減点項目が設けられている補助金もあります。加点を申請する際は、該当する減点項目の有無もあわせて確認しておきましょう。

減点項目の内容も補助金ごとに異なり、過去に類似の補助金で交付決定を受けている事業者や、加点項目として申告した内容が実際には要件を満たしていなかった事業者などが対象になる例があります。加点項目を申告する際は、要件を正確に満たしているかを社内で再確認したうえで申請しましょう。

補助金の加点項目を計画的に準備しよう

補助金の加点項目は、制度の認定や登録による型、企業の属性や状態によるパターン、目標設定や取組による型の3つに分けられ、それぞれ準備にかかる期間や取り組み方が異なります。経営革新計画や事業継続力強化計画のように承認や認定に一定の期間を要する制度もあるため、申請締切日や各制度の認定・登録に要する期間から逆算し、早めに準備を始めることが大切です。

加点項目の要件は公募回ごとに見直される場合があります。事業計画書の作成と加点項目の準備は、どちらも申請の締切までに終える必要がある作業です。両方を並行して進められるよう、早い段階で日程を組み立てておきましょう。

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